表現学部

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俳句の仕組みを覚えたての人が「わたしも作ってみようかな」と思ったとき、まず最初にぶつかる壁は何でしょうか?

――たくさんある季語の選び方?
――文体や表記の難しさ?

いいえ、違います。

答えは「どうすれば詩になるか分からない」です。

作り方は分かっているのに作れない!

「詩の作り方? ググれば調べられるよね?」
Z世代の人は、そう思うかもしれません。

作成方法さえ分かれば作れるはず――
そう考える人は少なくないでしょう。

ためしにネットを検索して、一句詠んでみてください。

俳句は世界でいちばん短い定型詩です。もしすんなりと作れたら、きっと天性の文学センスが備わっています。
ここから先を読む必要はありません。
しかし大多数の人は、「作り方を調べただけでは俳句を作れるようにならなかった」と感じるはずです。
筆者もまさにそうでした。

……いったいなぜなのでしょうか?

作り方と表現の仕方は別物

ここで疑問を覚えたのが、『俳句大学 表現学部』を立ち上げたきっかけです。

たとえば料理なら、正しい作成の手順や決まりごとさえ知っていれば、初めてのレシピでも一応は完成しますよね。
でも、俳句ではそれができません。

つまり、「どうやって詩を作ればいいか分からない」と思い当たったものの、じつは作り方を理解しても問題は解決しないということ。
手順や決まりごととはべつの何かが欠けている、ということです。

俳句を詠めるようになるには、ほかに何が足りないというのでしょうか?

結論から言いましょう。
「どうやって自分の言いたいことを描写するか?」という表現方法が欠けているのです。

俳句は同じ音数、同じ季語で作っても、百人詠めば百通りの結果が出現する文芸。
喩えるなら、オリジナルの料理レシピを毎回作り続けるようなものです。
常に新作を発表するわけですから、自分の表現したいことを詩にする術を知らなければ、最初の一句すら作り難いのも当然です。

そこを具体的に把握している初心者は少ないため、壁に直面していたわけですね。

『俳句大学 表現学部』の役割

まとめると、
「作り方だけでなく、表現の仕方を知らないと、俳句を詠むのは難しい」
ということになりますが――

それを踏まえた上で、「どうすれば自分の言いたいことを五・七・五で表現できるか?」を教えてくれるソースを探してみてください。

……驚くほど情報が少ないことに気づくのではないでしょうか?

作成の手順や決まりごとを解説したサイトは確かに存在しますが、表現方法を理詰めで説明したものはほとんどありません。
書籍でさえ本屋で見つけることは難しく、基本的にこの部分に関しては口伝というのが俳界の傾向です。

まさに秘中の秘といった感じで、ネットを駆使しても俳句を作れるようにならない理由がこれなんですね。
それだけに、情報も伝手もない初心者が俳句を始めるハードルは、大変高いと言わざるを得ません。

そこで――

このサイトでは、俳句における表現の方法――言い換えれば「ひとりひとりの言いたいことを俳句にするためのノウハウ」を解説していきます。

……それってノウハウにできるものなの? と訝しむ向きもあるかもしれません。
なぜなら、作成方法はともかく、表現方法となると、文才とかセンスとか理詰めで伝えられない要素が必須であると思われがちだからです。
ですが、これを読めば文才やセンスのあるなしに関わらず、誰でも俳句と向き合うことができるようになります。

たとえば旅行にでかけたとき、楽しい気持ちや美しい景色を手軽に俳句で表現できたら……素敵ですよね。
そんな生活を実現するヒントがここにあります。

これから俳句を始めたいと思っている方は、ぜひ活用してみてください。

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