第一回『わたしの気持ちを俳句にしたい!』

第一回『わたしの気持ちを俳句にしたい!』
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みなさんこんにちは。
『俳句大学 表現学部』の第一回講義です。

こちらを読んでいる人は、すでに俳句の作成方法をある程度知っているという前提で、前置きなく核心から説明していきます。
まだ作成方法を覚えていないという人は、先に『俳句大学 作り方学部』を読むと良いでしょう。

これから説明するのは「どうやって俳句に自分の思いを載せるか?」という表現方法の基本です。

いきなりですが、ちょっとした小旅行に出かけたと仮定して下さい。

この記事を書いているのは三月なので、季節は春としましょう。
場所はどこでも好きなところで構いません。

 

あなたは休日の旅を目いっぱい満喫します。
小春日和はとても心地よく、あっと言う間に帰る時間になってしまいました。

……その気持ちを、どのように俳句で表現しますか?

五・七・五はとても短い

五・七・五・七・七の短歌ならともかく、五・七・五しかない俳句に「天気が良くて心地よかった」「あっという間に時間が過ぎた」などの心情をそのまま盛り込むと、すぐに音数が足りなくなってしまいます。
そのうえ、心の動きだけでなく旅の状況や光景を描かなければ、そもそも何を言っているのか伝わりません。
あわせて季語も必要になります。

さて、どうしたものでしょう……?
書きたいことは山ほどあっても、記入スペースはたった十七音。

総合的に考えて、「わたしの気持ち」を文字にするの、無理だと思いませんか?

心情は書かなくてOK!

はい。
じつはその通りなんです。

結論から言うと、俳句に「わたしの気持ち」を詳しく書きあらわすのは難しいし、じつは書く必要もありません。

――えっ? じゃぁどうやって気持ちを表現するの?
――必要ないってどういうこと?

……と思ったら、次回の講義へ進みましょう。
その方法や理由を解説します。