第一回『わたしの気持ちを俳句にしたい!』
- 2021.03.28
- 表現学部 一階教室
みなさんこんにちは。
『俳句大学 表現学部』の第一回講義です。
こちらを読んでいる人は、すでに俳句の作成方法をある程度知っているという前提で、前置きなく核心から説明していきます。
まだ作成方法を覚えていないという人は、先に『俳句大学 作り方学部』を読むと良いでしょう。
これから説明するのは「どうやって俳句に自分の思いを載せるか?」という表現方法の基本です。
いきなりですが、ちょっとした小旅行に出かけたと仮定して下さい。
この記事を書いているのは三月なので、季節は春としましょう。
場所はどこでも好きなところで構いません。
あなたは休日の旅を目いっぱい満喫します。
小春日和はとても心地よく、あっと言う間に帰る時間になってしまいました。
……その気持ちを、どのように俳句で表現しますか?
五・七・五はとても短い
五・七・五・七・七の短歌ならともかく、五・七・五しかない俳句に「天気が良くて心地よかった」「あっという間に時間が過ぎた」などの心情をそのまま盛り込むと、すぐに音数が足りなくなってしまいます。
そのうえ、心の動きだけでなく旅の状況や光景を描かなければ、そもそも何を言っているのか伝わりません。
あわせて季語も必要になります。
さて、どうしたものでしょう……?
書きたいことは山ほどあっても、記入スペースはたった十七音。
総合的に考えて、「わたしの気持ち」を文字にするの、無理だと思いませんか?
心情は書かなくてOK!
はい。
じつはその通りなんです。
結論から言うと、俳句に「わたしの気持ち」を詳しく書きあらわすのは難しいし、じつは書く必要もありません。
――えっ? じゃぁどうやって気持ちを表現するの?
――必要ないってどういうこと?
……と思ったら、次回の講義へ進みましょう。
その方法や理由を解説します。
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