第三回『俳号を決めよう!』

第三回『俳号を決めよう!』
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みなさんこんにちは。
『俳句大学 作り方学部』の第三回講義です。

前回は、
「俳句作りの持参物」
について説明しました。

これですぐにも俳句を始められますが、最後にひとつ、決めておくと得するものがあります。

それが俳号です。

俳号ってなんのこと?

俳号とは、字面のとおり俳句作りにおける雅号のことです。
良く知られている松尾芭蕉も、正岡子規も、実名ではなく俳号となります。

 

引用:日本観光振興協会

「べつに実名でいいじゃん」
「源氏名みたいで感じ悪い」

と言う人もいることでしょう。

もちろん実名で活躍している俳人はたくさんいます。
しかし、筆者のお世話になっている夏井いつき先生(これも俳号です)も、初心者ほど自分の俳号を持つことを強く推奨しています。

どうして俳号を決めておくと得するのでしょうか?

筆者の考えるメリットは三つあります。

俳号のメリット① 役者になれる

ひとつ目は、俳人に「なりきる」心構えができること。

喩えるなら、ドラクエで主人公の名前を決めるようなものです。
映画や漫画とは異なり、ドラクエの主人公は自分の分身として存在していますよね。
それが「なりきる」感覚を呼び起こすから、とても人気が高いわけです。
俳句もおなじことで、俳号があるとないとでは、感情移入がまったく違ってきます。

ちなみに「ドラクエは実名でやってました」という人は、自分の名前が一番感情移入しやすい人なので、無理に俳号を持つ必要はありません。

 

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俳号のメリット② 駄句の恥はかき捨て

ふたつ目は、投句で恥をかき捨てられること。

投句というのは、俳句のコンテストや句会に自分の作品を送って応募することです。
完全に自閉モードでないかぎり、作句活動においてほとんどの人が体験することになります。

このとき、俳号がないと実名で投句せざるを得ません。
よほど自信があるなら良いですが、もしも低評価だったら……。
俳号でオブラートに包んでおくと、精神的な緩衝材になってくれます。

俳号のメリット③ 自分の身を守れる

みっつ目は、セキュリティ上の理由です。

オンラインで俳句を楽しむ場合、実名を晒すのは非常に大きな危険を伴います。
動画、ブログ、SNS、電子メール……どんな媒体であっても、俳号があればリスクを回避しやすくなります。

 

たとえば筆者の場合、俳号は豊島月舟斎。
盛りすぎ感あふれる俳号なので、これを実名と思う人はまずいません。
「雅号を使ってますよ」とはっきり分かり、かつ他人と被らないような自分だけの俳号を考えて、名乗るようにした方が良いでしょう。

以上が俳号の説明になります。

俳号のメリットまとめ

まとめると――
俳号がなくても作句はできるものの、あれば得するケースが多い
ということになります。

その理由は、

①士気の向上
②恥のかき捨て
③セキュリテイ

のみっつです。

どんな名乗り方をするにせよ、俳句を詠めば作者の名前が付いてまわりますので、この場で俳号の利用を検討してもらえればと思います。

次回は、いよいよ俳句の構造について説明します。