第五回『超カンタン! パズル式作句法 ②』
- 2021.03.27
- 作り方学部 一階教室
みなさんこんにちは。
『俳句大学 作り方学部』の第五回講義です。
前回は、第一のパターン
【上五「や」切れ+体言止め】
について説明しました。
今回は第二のパターンに移ります。
第二のパターン【中七「や」切れ+体言止め】
例句を見て下さい。
・ 木の股の抱ける暗さや秋の風 高浜虚子
第一のパターン同様、切れ字「や」を使う型になります。
句末が名詞(体言)の言い切りである点も同じ。
違うのは「や」の位置です。
中七の末にカットの切り替えがあります。
前回同様、特徴を見やすくするため、カナにひらいて、さらに五・七・五へと分解してみましょう。
つぎに、パターンを図にして抜きだします。
これで「中七までの十一音+や」と「残りの五音」という二部構成のパターンが見てとれます。
第一のパターンと比べると、「や」の前に音数を長く取るので、強調・詠嘆したい現象や事物を描写しやすいですね。
一方で、残された下五はぽんと置かれるだけなので、取り合わせのさじ加減が句の味わいに直結します。
これぞ二物衝撃の醍醐味! といった感のあるパターンでしょう。
以上が第二のパターン【中七「や」切れ+体言止め】の特徴です。
季語はどこに置くの?
続いて、季語の位置どりについても見てみましょう。
例句では、季語を下五に置いていました。
これが基本型ですが、五・七・五のどこに置いてもちゃんと機能します。
高浜虚子の俳句から、今度は季語の位置が違う作品を見てみましょう。
・ 炎天の空うつくしや高野山 高浜虚子
季語は炎天。上五にあります。
パターンさえ踏襲すれば、季語の位置どりは自由で良いことが分かるかと思います。
ほかに中七に持ってくる例もありますので、ぜひ色んな俳句を鑑賞してみてください。
【中七「や」切れ+体言止め】の作り方まとめ
① 上五と中七を十一音の一節として、切れ字「や」で強調・詠嘆する
② それと対になる五音の事物を下五に据える
③ 下五は体言止めのかたちで言い切る
※ 季語の位置はどこでも良い
という手順になります。
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